レッドウィングはエンジニアブーツで有名。ブーツは手入れにも気をつけよう。97年に日本別注として誕生したレッドウィング ペコスブーツにも注目。レッドウィング アイリッシュセッターについても。
アメリカではブッシュ元大統領が愛用し、日本では大人気のドラマの劇場版で木村拓哉が履いていた事でも有名なキング・オブ・ブーツ、レッドウィング。本場アメリカではワークブーツでのシェアは約30%を誇り、セイフティシューズでは、約80%を占めています。全世界で支持され続けているその歴史は1905年、アメリカの中西部のミネソタ州にあるレッドウィングシティで、靴販売のビジネスをしていたチャールズ・ベックマンが設立した、レッドウィングシューカンパニーという小さな町工場から始まりました。レッドウィングシティの名前は開拓当時、この地域を治めていたネイティブアメリカンのスー族の酋長である、ワクタ・レッドウィングが由来であり、その由来通り、今もなお古き良き時代のアメリカの街並みを留めています。ミネソタ州には数多くの湖や川が存在し、中でも州を大きく縦断しているミシシッピー川の美しい水と、豊富な自然は良質の皮を作るのに適し、古くから皮革産業が盛んな土地でした。そんな土地柄を活かした品質の高さと機能的でスタイリッシュなデザインが評判を呼び、1919年のブラウンチーフ・シリーズでレッドウィングの名はアメリカ中に轟き、チャールズ・ベックマンは見事に成功を収め、その後も創業当時の素材、製法を頑なに守り続け、2005年には100周年を迎えるまでになったのでした。
世界中で愛されているワークブーツのシンボルである、レッドウィングのアイリッシュセッターは1950年、三代目社長のJ・R・スウィージーがハンティング向けのスポーツブーツの開発を命じた事により誕生しました。スポーツ好きだった、J・R・スウィージーは静かでクッション性が良く、快適に歩けるクレープソールを取り入れ、取引先の皮革業者が開発した、弾力性・防水性に富み、硬くなりにくいといった優れた特徴を持つオレンジ色のオロ・ラセットの権利を取得し、その色がアイリッシュセッターの毛に似ていることから名付けられました。現在もなお、40数年前の基本的なデザイン、素材、製法そのままに生産されていて、その高い品質とスタイルは守り続けられています。また、J・R・スウィージーは新たな小売店販売を展開し、アイリッシュセッターのようなワークブーツだけではなく、その時代、時代に応じた商品を展開し、ヒット商品を飛ばしています。97年に日本別注として誕生したレッドウィング ペコスブーツにも注目。
レッドウィングの創立者である、チャールズ・ベックマンは素材にこだわった人でした。革は剥いだ動物の皮の乾燥や腐敗を防ぐためになめし加工をするのですが、その前に塩付けにして運び、塩抜きをしてからなめし加工をするのが一般的でした。そうした工程は革の品質を落とすものでしたが、19世紀後半の当時はそれが当たり前でどの業者もそれを使用していました。しかし、チャールズ・ベックマンはそうした工程に疑いを持ち、創業当時から死後2〜5時間の間に加工をする、フレッシュハイド製法で生産し、ブーツ作りの最も重要な革のクオルティの向上に努めたのでした。そして、ただ、作るだけではなく、取引先や小売店での接客や、フィッテングに力を入れ、手入れ方法やリベア方法などを提案することにより、顧客を獲得していったのでした。こうしてクオリティの高さと斬新なデザインだけではなく、末永く愛用される靴というレッドウィングのこだわりがアメリカ中に広まり、キング・オブ・ブーツとして、レッドウィングは世界のトップブランドへと大きく成長していったのです。